文書化対応実務(概要)

2025年現在、日本における移転価格の文書化制度はBEPS最終報告の勧告に基づき、“3層構造”の仕組みになっています。具体的には以下のような文書の作成が法令により求められています。

区分名称内容対象期限罰則等
第1層国別報告書(CbCR: Country-by-Country Report)売上高、利益、税額、従業員数などを国ごとに報告連結総収入1,000億円以上の多国籍企業グループ最終親会計年度終了の日の翌日から1年以内正当な理由なしに期限内提出を怠った場合:30万円以下の罰金
第2層マスターファイル(MF: Master File)グループ全体の事業内容、無形資産、資金調達の方針などを記載同上同上同上
第3層ローカルファイル(LF: Local File)各国子会社と親会社との具体的な関連者取引の分析資料国外関連取引を行う企業一定規模以上の取引:申告期限までに作成し、調査時指定日までに提示 それ以外の取引:調査時指定日までに提示指定期日まで不提出:推定課税・同業者調査

日本の移転価格文書化制度はOECDガイドラインと足並みを揃えたものとなっています。また、OECDガイドラインは移転価格のグローバルスタンダードとして、一部の国・地域を除いて広く認知され、また各法域で参照されていますので、日本以外の国でも同様の文書化制度を設けている国・地域は多い状況です。そのため、進出国側の制度を含め、文書化制度をしっかりと理解したうえで、リスク対応とコンプライアンス対応を効果的かつ効率的に推進できるように、移転価格のガバナンス体制をしっかりと整えていくことが肝心です。

参考リンク

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