トルコ Turkey– 各国の移転価格税制 –

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最近の動向

トルコでは、2020年2月25日付大統領令第2151号により、OECDによるBEPS行動13の勧告に基づく三層構造(国別報告書、マスターファイル、ローカルファイル)が正式に導入され、2019会計年度以降に適用されています。

国別報告書(CbCR)および関連届出(通知書)は、トルコ歳入局(Turkish Revenue Administration, TRA)が運営する電子プラットフォーム「BTRANS」を通じて提出されます。制度導入初期には複数の提出期限延長や補足通達が発出されましたが、現在は通常のBEPS準拠運用に移行しています。

また、トルコはCbCR多国間当局間協定(MCAA)および米国との二国間CAAを承認・発効しており、国別報告書の国際的な自動交換体制が確立されています。

なお、過去には、租税特例法(Law No. 7326)により一定年度の税務調査免除制度が設けられました。しかし、同制度は期間限定の特例措置であり、移転価格が独立企業原則に適合していることを恒久的に保証するものではありません。

したがって、将来年度を含む移転価格リスク管理においては、通常どおり移転価格分析および文書化対応が求められます。

基本情報

税務当局

トルコ国庫・財務省(Ministry of Treasury and Finance)ないし歳入局(Revenue Administration, TRA)

移転価格税制の対象取引

トルコ法人所得税法第13条は、関連当事者を広く定義しています。主な対象は以下のとおりです。

  • 法人の株主および当該株主に関連する法人・個人
  • 経営、監督または出資を通じて、法人または株主を直接または間接的に支配する、または支配される者
  • 株主の配偶者、兄弟姉妹、父母、ならびに三親等以内の血族・姻族

なお、直接または間接的な株主としての所有関係を根拠に関連当事者性を判断する場合には、株式(資本持分)の保有割合が10%以上であることが要件とされます。一方、株主関係が存在しない場合であっても、議決権または配当受領権を直接または間接に10%以上保有している場合には、当該当事者は関連当事者とみなされます。さらに、大統領により指定された有害税制国に居住する当事者との取引も、関連当事者取引として取り扱われます。

OECDとの協調状況

OCDガイドライン等への準拠状況

トルコは、OECD加盟国であるが、限定的に準拠している。

OECD/G20 BEPS包摂的枠組(IF)の参加国かどうか

Yes

MCAAへの署名状況

Yes

文書化制度の概要

トルコは、2020年2月25日以降移転価格文書化に関して BEPS行動13のアプローチを採用しています。
文書化規定の概要は下表の通りとなっている。

CbCR

制度の有無
通知の要否
報告期限
※報告対象期間の最終日を基準とした場合
12カ月以内
代理親会社による提出の可否
罰則の有無

MF

制度の有無
OECD形式で充足するか概ね充足
作成等の要請同時文書化+提供(準備)
罰則等の有無

LF

制度の有無
OECD形式で充足するか概ね充足
作成等の要請同時文書化+提供(準備)
罰則等の有無

トルコの移転価格文書化制度は、OECD/G20のBEPS行動13を基礎として導入されていますが、提出様式や実務運用の面では、現地語資料の提出が求められたり、比較可能性分析や比較対象の選定、調整ロジック等の詳細な説明が重視されたりといった傾向があるとされています。なお、国別報告書(CbCR)については基本的にOECDフォーマットと整合しています。

参考資料等

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