最近の動向

オランダでは、2022年に法人所得税法が改正され、移転価格税制(移転価格の解釈の相違に起因する課税所得の不一致への対応)が強化されました。本改正は、独立企業原則そのものを否定するものではなく、他国において対応する課税(対応的(増額)調整)が行われない場合には、オランダ側での利益の減額調整を認めないことを定めています。これには、非公式資本取引(informal capital contributions / distributions)も含まれます。
また、2021年1月1日より、低税率管轄区域向けの利子およびロイヤルティ等に対する条件付源泉徴収税が導入されています。低税率管轄区域とは、法人税を課さない、または9%未満の税率を適用する地域、もしくはEUの非協力的税務管轄リスト(ブラックリスト)に掲載されている国・地域を指します。適用税率は、当該年度のオランダ法人税の最高税率(2025年時点:25.8%)と同率となります。
*法的な配当や増資という形式を取らないものの、実質的には「資本の拠出」や「資本の払い戻し」と同視される関連者間取引
基本情報
税務当局
オランダ税関および税務管理局(Dutch Tax and Customs Administration、DTCA)
移転価格税制の対象取引
オランダ法人所得税法第8条の2における「関連企業」の定義は、OECDモデル租税条約第9条の文言に沿って規定されています。すなわち、一方の企業が他方の企業に対して、持分参加や経営支配等を通じて、非独立企業間のような取引が生じせしめるような影響力を十分に有する場合、当該企業は関連企業とみなされ、関連者間取引については独立企業原則に基づく検証が求められます。
OECDとの協調状況
OCDガイドライン等への準拠状況
OECD加盟国であり、概ね準拠している。
OECD/G20 BEPS包摂的枠組(IF)の参加国かどうか
Yes
MCAAへの署名状況
Yes
文書化制度の概要
オランダは、移転価格文書化に関してBEPS行動13を適用しており文書化規定の概要は下表の通りです。
なお、いずれの文書についても、特にOECDフォーマットとの重要な相違点はありません。
CbCR
| 制度の有無 | 有 |
|---|---|
| 通知の要否 | 要 |
| 報告期限 ※報告対象期間の最終日を基準とした場合 | 12カ月以内 |
| 代理親会社による提出の可否 | N/A |
| 罰則の有無 | 有 |
MF
| 制度の有無 | 有 |
|---|---|
| OECD形式で充足するか | 概ね充足 |
| 作成等の要請 | 同時文書化+提供(準備) |
| 罰則等の有無 | 有 |
LF
| 制度の有無 | 有 |
|---|---|
| OECD形式で充足するか | 概ね充足 |
| 作成等の要請 | 同時文書化+提供(準備) |
| 罰則等の有無 | 無 |

