日本 Japan– 各国の移転価格税制 –

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最近の動向

BEPS(2015最終報告)及びBEPS2.0(2021国際合意)を受けて様々な改正が行われている。近年の主な税制改正等の動きとして以下が挙げられる。

ポストBEPS:2019年度税制改正

以下に関する改正が行われ、2020年4月1日以降に開始される事業年度から適用されることとなった。

  • 無形資産の定義の明確化
  • DCF法の導入
  • 評価が困難な無形資産(HTVI)の扱い
  • 四分位範囲の正式導入
  • 更正期間

BEPS2.0:2023年以降の改正等

2023年度税制改正:グローバル・ミニマム課税のうち所得合算ルール(Income Inclusion Rule: 以下IIR)を導入(2024年4月1日以降の開始事業年度に適用)
※移転価格はIRRの計算に影響

2025年6月の国税庁「移転価格税制の適用に係る簡素化・合理化アプローチに関するFAQ」の公表:移転価格税制の適用に係る簡素化・合理化アプローチとなる、いわゆる利益Bアプローチの導入は2025年度(令和7年度)税制改正大綱において見送られることとなったが、同アプローチの我が国の税務上の取り扱いについてまとめたFAQが公表。

基本情報

税務当局

国税庁(National Tax Agency、NTA)
※税務調査は国税局又は税務署が主に執行

移転価格税制の対象取引

移転価格税制は、国外関連取引、すなわちクロスボーダーのグループ法人間取引にのみ適用される。法人には、株式会社、有限会社、その他の法人格を有する団体が含まれる。国外関連者は、内国法人等との間に直接または間接的な法的支配関係(50%以上の株式等保有関係)もしくは実質的支配関係(人的・取引依存関係、財務的依存など)がある者を言う。

OECDとの協調状況

OCDガイドライン等への準拠状況

日本はOECDの加盟国であり、日本の税務規定は、概ねOECDの原則と一致している。

OECD/G20 BEPS包摂的枠組(IF)の参加国かどうか

Yes

MCAAへの署名状況

Yes

文書化制度の概要

日本は、移転価格文書化に関してBEPS行動13を適用している。文書化規定の概要は下表の通りとなっている。

CbCR

制度の有無
通知の要否
報告期限
※報告対象期間の最終日を基準とした場合
12カ月以内
代理親会社による提出の可否
罰則の有無

MF

制度の有無
OECD形式で充足するか概ね 充足
作成等の要請提出 (期限はCbCR同様)
罰則等の有無

LF

制度の有無
OECD形式で充足するか概ね 充足
作成等の要請一定規模以上の取引は同時文書化+提供
罰則等の有無

なお、CbCRおよびマスターファイルについてはOECDフォーマットとの相違はないが、ローカルファイルについては
検証対象企業および取引相手のセグメント損益等の開示が求められる。

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