韓国 South Korea– 各国の移転価格税制 –

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最近の動向

韓国の移転価格税制を規定する国際租税調整法(LCITA)の改正が2021年1月1日に施行。
主な改正点は以下の通りである。

  • 国外関連者の範囲につき、家族関係が考慮されることとなり拡大。
  • バイラテラルAPAのロールバック期間が5年から7年に、ユニラテラルAPAのロールバック期間が3年から5年に延長。
  • マスターファイルとローカルファイルを提出する納税者は、通常、法人税申告書の一部として提出されることとなる移転価格開示書類の提出が免除される場合がある。ただし、当該開示書類は現在、ローカルファイルの一部を構成する格好ンなっている。マスターファイルとローカルファイルを提出する必要のない納税者については、移転価格開示書類の提出期限が、事業年度末から6ヶ月後に延長。
  • 事前確認(APA)の年次報告書の提出期限が、事業年度末から12ヶ月後に延長。

基本情報

税務当局

国税庁(National Tax Service、NTS)

移転価格税制の対象取引

関連者は、取引の相手方の株式の50%以上を直接または間接に所有する当事者、または取引の双方の当事者の株式の50%以上を直接または間接に所有する第三者をいう。
さらに、資本、取引商品・サービス、貸付等の関係を通じた共通の利害関係が存在し、いずれかの当事者(または第三者)が相手方の事業方針を実質的に決定する権限を有する場合、当該当事者は関連当事者とみなされる可能性がある。
なお、国内関連取引も移転価格税制の対象となっている。人的・取引依存関係、財務的依存など)がある者を言う。

OECDとの協調状況

OCDガイドライン等への準拠状況

OECDガイドラインは重要な指針として参照されてはいるものの、韓国の裁判所はOECDガイドラインに法的拘束力はないことを明確にしている。ただし、企画財政部(Ministry of Economy and Finance, MOEF)なNTSはOECDガイドラインの改訂に合わせて、自国のガイダンスや規程の変更要否等について検討している。

OECD/G20 BEPS包摂的枠組(IF)の参加国かどうか

Yes

MCAAへの署名状況

Yes

文書化制度の概要

韓国は、移転価格文書化に関してBEPS行動13を導入しているが、国税庁(NTS)が定める様式はOECDの推奨フォーマットと完全には一致していない。文書化規定の概要は下表の通りとなっている。

CbCR

制度の有無
通知の要否
報告期限
※報告対象期間の最終日を基準とした場合
12ヶ月以内
代理親会社による提出の可否N/A
罰則の有無

MF

制度の有無
OECD形式で充足するか概ね充足
作成等の要請提出+ 提供
罰則等の有無

LF

制度の有無
OECD形式で充足するか概ね 充足
作成等の要請同時文書化+提供+一定規模以上の取引は提出
罰則等の有無

なお、OECDフォーマットとの重要な相違点として、以下のような点が挙げられる。

マスターファイル・ローカルファイル

重要な違いはないが、NTSが標準テンプレートを定めており、内容がカバーされていれば形式を厳密に一致させる必要はないものの、基本的には当該テンプレートに準拠することが求められる。

なお、CbCRについては特に重要な違いはない。

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